阿須山中の調整池は見掛け倒しの似非調整池だった。

「サッカーグラウンドを水害対策の調整池として使っても良いと事業者は快諾してくれている」と大久保勝飯能市長は地元テレビを使った飯能市の公報動画で事業者に感謝の意まで表していた。 

 

飯能市阿須山中地域18ヘクタールの里山市有地有効活用の主眼は「飯能インターナショナルスポーツアカデミーが運営するBOCAサッカークラグ事業」、これにより「移住や人口増を促進し地域創生もたらす効果絶大」と大久保市長は言う。 それにはプロ仕様のサッカーグランドが不可欠とも言う。 

 

一方、この事業を支えるためにメガソーラー発電の売電事業を行う為に阿須山中里山を大規模伐採、この事で山の保水力が大幅に減少、その対策に降雨時の増水を一時的に溜める大きな調整池が必要となる。 「サッカーコートが有っての調整池では無く、調整池の底地を調整池として溜水が無い時はサッカーコートをして使用も可能」との「調整池が有ってのサッカーグラウンド」と言うのが本当だろう。

 

然し、調整池の底に作られるサッカーグラウンドを水没から守るために調整池は50mmの豪雨時でも増水を一切溜めず直下を流れる川幅の狭い、豪雨時は既に満水状態の唐沢川へ全降雨水量を垂れ流し放流する設計になっている。

 

「サッカーグラウンドを水害対策の調整池として使っても良いと事業者は快諾してくれている」との大久飯能市長の言葉はその通りに、調整池はサッカーグラウンドを水没から守る事が主眼、唐沢川流域住民を水害から守る事は二の次にされたものだった。  


調整池は肝心な豪雨時に調整池として全く働いてくれない。「まさかこんな事をされるとは」、これまで唐沢川流域住民はこの事実を知る由も無かった。 

 

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